こんにちは、買い物男子のだいすけです。
たくさんの写真や音楽/動画データを保存するのに外付けHDDを使っていましたがネット経由でデータにアクセスしたいと思うことがありました。
外出先から保存されているファイルの確認や音楽/写真などにアクセスできたら便利だなーと思っていたところNASというものを知りました。
そこで今回はSynology Diskstation DS220jについてレビューしていきたいと思います。
Synology DiskStation DS220j(一時的にリンクを無効にしています)
Synology DiskStation DS223j(一時的にリンクを無効にしています)
※DS220jの後継機でメモリ容量の多いこちらの方がおすすめです。
NAS用HDD おすすめ(一時的にリンクを無効にしています)
※REDシリーズの無印を購入したのですが今は在庫がほとんどないようです。Western DigitalであればREDシリーズがNAS向けに設計されているのでおすすめです。
NASとは
NASとは「Network Attached Storage(ネットワーク接続型ストレージ)」の略で、ネットワーク接続可能なHDDやSSDなどのストレージのことをさします。
外付けHDDはUSBを介してPCと接続するのに対してNASはLANケーブルまたはWi-Fiを介して複数のデバイスと接続することができます。
外付けHDDでは一つのデバイスでしか使えませんがNASは複数のデバイスで同時に使うことができるのがメリットです。
NASについてさらに詳しく知りたい方はバッファローの公式サイトにてNASについて説明していますのでこちらをご覧ください。
バッファロー 公式サイトより
Synology DiskStation DS220jについて
安全性・信頼性に優れたNASサーバーを開発している台湾の企業Synologyから販売されている製品になります。
現在、DS220jは製品ラインナップからなくなってしまっていますが後継機のDS223j
とメモリ容量の大きいモデルが出ています。
Synology 公式サイト
特徴・スペック
DiskStation DS220jは個人データホームユーザー向けのエントリーモデルになりNAS初心者にはピッタリの機種になります。
僕も使い始めるまではNASに関する知識はゼロでしたが付属のガイドブックを見ながらであれば設定ができるようになっています。
WindowsだけでなくmacOS、Linuxやモバイルデバイスへのアクセス・データ共有も可能となっており外出先でも自由にアクセスできます。
2つのドライブベイによりRAID構成が可能で万が一のデータトラブルにも対応できます。
(ドライブベイとはHDDやSSDなどのストレージを取り付ける部分のことをいいます。また、複数のHDDを1つのドライブ扱いにしてデータを安全に保存するやりかたをRAIDといいます。)
Synology独自のOS「Synology DiskStation Manager(DSM)」を搭載しているのでネットワーク上でNASの設定を変更したりファイルを操作することができます。
ほかにもパッケージセンター(App StoreやGoogle Playのようなもの)から自分の用途にあったアプリを追加することでより便利に使うことができます。
開封
それでは中身を確認していきます。
▼本体外箱。
▼中身を確認。
▼内容物はこちら。
▼NAS本体。
▼本体外観チェック。
本体材質はプラスチックが主で一般的な外付けHDD2つ分ぐらいののサイズ感です。
側面にはSynologyと型抜きされた部分があり排気口と合わせて文字がおしゃれになっています。
本体背面にはHDD冷却用のファンが付いています。
92mmファンを使用しているので冷却性能や静音性の高いファンに交換することもできそうです。
▼本体前面。
LEDインジケータの詳細は、上からステータスインジケータ・LANインジケータ・ドライブステータスインジケータとなっています。
▼本体背面。
背面ポートには、USB3.0ポート x2、1Gbe RJ-45ポート(LANポート)、電源ポートがあります。また、USBポートの左側にはリセットボタンが備わっています。
一番右側に独立してあるのはKensingtonセキュリティスロットと呼ばれるもので盗難防止用のワイヤーを掛ける部分になります。
▼側面と底面。
排熱のためにさまざまな部分に排気口がついていてファンと合わせて冷却性能は高いと思います。底面には大きなゴム足が付いているので転倒防止対策もバッチリ。
▼重量を確認。
▼付属品。
設定・接続
付属の初心者ガイドブックを参考にHDDをNASに取り付けPCと接続していきたいと思います。
初心者ガイドブックはSynology公式サイトよりDLすることが可能ですのでそちらも使ってみてください。
Synology ナレッジセンター「初心者ガイド - DSM7.Xを基に」より
NAS接続
▼NAS本体のカバーを外します。
▼ケースを外したらHDDをドライブベイに取り付けます。
▼HDDをドライブベイにスライドさせSATAコネクタにしっかりと差し込みます。
今回、2つHDDを取り付けるので自分がわかりやすいように下段から取り付けました。取り付けるHDDが1つの場合は上下どちらに取り付けても問題ありません。
取り付けの際に少し不安かもしれませんがHDDとSATAコネクタを合わせてしっかりと奥まで差し込んでください。
きちんと差し込まれていればHDD側面のネジ穴とNAS本体ブラケットのネジ穴が合います。
HDDによっては側面のネジ穴が2つのものがあるのでその場合はNAS付属のアクセサリパックにあるブラケットを使用して取り付けを行ってください。
▼HDDをNAS付属のネジで固定していきます。
▼2つ目のHDDも同じように取り付けていきます。
取り付け作業は以上となります。
PC自作経験がなくてもそこまで難しい作業ではないのでゆっくりと行えば初心者の方でも出来ると思いますのでがんばりましょう!
▼NAS本体にケースを戻したら背面の電源ポートにAC電源アダプターを接続します。
▼次にLANケーブルを使用しルーターもしくはスイッチングハブと接続します。
▼本体前面の電源ボタンを押してNASを起動します。
▼LEDインジケータを確認して下記のように表示されていれば問題ありません。
DSM設定
管理者アカウント作成
▼NAS起動後にNAS専用のOS「DiskStation Maneger(DSM)」をインストールします。
DSMをインストールするにはWeb Assistantというツールが用意されていますのでそちらを使っていきます。
PCのブラウザでWeb Assistant:[http://find.synology.com]と検索するとブラウザ上でWeb Assistantが起動し接続したNASを自動的に検索・検出します。
※ガイドブックの「2.オペレーティングシステム(OS)のインストール」項目を参考に設定しています。
起動をクリックすると管理者アカウント作成画面に移行します。
デバイス名・管理者アカウント・パスワードを入力し次へをクリックします。
ここで設定した管理者アカウントはDSMアカウントとしてNASの管理者IDになります。
またDSMにログインする際にパスワードが必要になりますのでNAS管理者の方が管理してください。
僕もガイドブックを見ながらの設定だったのでアカウント情報はメモ帳アプリなどできちんと保存しておくことをおすすめします。
次画面ではDSMアップデートとメンテナンスの設定を行います。
セットアップ後でも変更は可能ですが「自動的に最新なDSMとパッケージのアップデートをインストール」を選んでおきましょう。
▼次にSynologyアカウントの作成です。
さきほど作成した管理者アカウントとは別のアカウントになります。
NASにアクセスするのに管理者アカウントを使用し、NASに関するサービスを利用するのにこちらのSynologyアカウントが必要になります。
後から作成することもできるので面倒な方やPCからのアクセスが主な方はスキップしても大丈夫です。
その他の便利なツールを探す設定をします。
この画面では特に設定することはないので右下の送信をクリックして次へ移りましょう。
ストレージプール作成
DSMデスクトップ画面が表示されたらストレージプールの作成に入ります。
ガイドブック「2.2 ストレージプールの作成(基礎編)」を参考に設定を行っていきます。
▼ストレージプールの作成と設定。
外付けHDDと違いNASは接続しただけではデータの保存や読み込みはできません。
そのため最初に共有フォルダを作成する必要がありますので、今回はSHR構成によるストレージプールの作成方法で進めていきます。
他構成での作成の場合はガイドブックの「7. 補足資料・よくある質問」の「7.1 RAIDの種類と保護レベル」および「7.2 ストレージプール作成(応用編)」を参考にしてみてください。
まず最初に画面中央に表示されている「今すぐ作成」をクリックします。
起動をクリックしてストレージプールとボリュームを構成します。
RAIDタイプをSHR(Synology Hybrid RAID Technology)にし次へをクリックします。
ストレージプールの種類(オプション)は空欄のままで大丈夫です。
ドライブの選択でディスク(HDD/SSD)を選択しストレージプールを作成します。
NASに取り付けた台数分のHDDがディスク1やディスク2と表示されるのでチェックを入れたら次へをクリックします。
ドライブチェックの確認。
後で不具合等が出てくると面倒なのでドライブチェックを実行しておきましょう。
ボリューム容量の割当。
ボリューム容量の割当を行います。なにも変更せずにそのまま次へをクリック。
ファイルシステムの選択。
推奨のBtrfsを選択します。NASのモデルによってはext4しか選択できない場合があります。
次へをクリックすると設定内容が表示されるので確認し適用をクリックしてストレージプールを作成しましょう。
この時「新しく追加されたドライブ上のすべてのデータをすべて消去する」と警告がでるので再度確認をし問題がなければ適用をクリックします。
画面が切り替わればストレージプールの作成完了です。
共有フォルダの使用方法
▼次に共有フォルダについてです。
DSMのインストールが完了したら共有フォルダを作成しデータをアップロードします。
ブラウザ上からNASにアクセスしたら左列のFile Stationを開きます。
最初に「利用可能な共有フォルダがない」と表示されますのでOKをクリックして共有フォルダを作成しましょう。
フォルダ名を入力したら必要箇所にチェックを入れます。
共有フォルダを作成する場所を選びます。複数のボリュームを作成した場合は作成したいボリュームを選択します。
「マイネットワーク」でこの共有フォルダを非表示にするにチェックを入れるとPCのマイネットワークでNASが表示されなくなるのでチェックは外しておきます。
無許可のユーザーにサブフォルダとファイルを見せない項目はNASを自分だけが使用する場合チェックを入れておきましょう。
ごみ箱を有効にするはチェックを入れておきましょう。管理者が自分だけの場合は、管理者のみにアクセスを許可するにチェックを入れておきます。
必要な場合は共有フォルダの暗号化や構成詳細を設定します。
今までの設定内容を確認し問題がなければ次へをクリックします。
共有フォルダの権限設定の確認。
ユーザーごとに権限設定を変更できます。フォルダ作成後にDSMのコントロールパネルから権限を変更できますので今回はそのまま適用をクリックします。
共有フォルダの画面に切り替われば共有フォルダの作成完了となります。
DSMユーザーアカウントの作成
▼DSM画面のコントロールパネルを開きます。
ユーザーとグループを開きユーザータブの作成をクリックします。
最初に作成した管理者アカウントと同様に名前とパスワードを入力します。
(下のチェックボックスはそのままでも大丈夫です。)
グループはusersにチェックをして次へをクリックします。他グループに対しての権限設定が必要な場合は次画面でそれぞれチェックを入れてください。
設定の確認画面まではなにも変更せずに次へをクリックで進み、設定した内容を確認して問題がなければ完了をクリックします。
NASのファイル操作
DSM画面の左列にあるFile Stationからファイルを操作できます。
PCでのファイル操作のようにブラウザからNAS上のファイル操作が可能です。
詳細はガイドブックの「3.2 ブラウザからNASのファイルを操作する」を参考にしてみてください。
~ローカルネットワークに共有フォルダをマウントする方法~
ブラウザ以外に同じLAN内にあるPCからエクスプローラーを経由してフォルダにアクセスすることが出来ます。
ブラウザからではなくPCからのアクセスが主になるので設定をしていきます。
(WIndowsのみの設定方法となります)
▼PCのコントロールパネルでの設定。
最初にPCのコントロールパネルからネットワークに関する設定を変更していきます。
PCのコントロールパネルから[ネットワークとインターネット]>[ネットワークと共有センター]>[共有の詳細設定]とクリックしていきます。
ネットワーク探索・ファイルとプリンターの共有が無効になっている場合は有効に変更します。
▼エクスプローラーでの設定。
エクスプローラーの左側にあるPCを選択します。
エクスプローラー上部の"…マーク"をクリックしネットワークドライブの割り当てを選択します。
"…マーク"がない場合は、エクスプローラー左のPCを右クリックすると同じようにネットワークドライブの割り当てが表示されるので選択します。
ドライブ欄の一覧から利用可能なドライブ文字を選択します。
フォルダー欄にNASのIPアドレスなら「¥¥192.◯◯◯…¥フォルダ名」、サーバー名なら
「¥¥サーバー名¥フォルダ名」のどちらかを入力し完了をクリックします。
サーバー名だとうまく設定できなかったのIPアドレスでの設定をおすすめします。
NASのIPアドレスがわからない方はSynology Assistantというソフトで確認ができますのでこちらからDLして使ってみてください。
Synology ナレッジセンター Synology Assistant
製品カテゴリを「NAS」に対応モデルを「DS220j(もしくは購入したモデルの型番)」を選択し検索結果欄のデスクトップユーティリティから「Synology Assistant」をDLできます。
ソフトを起動すると自動でLAN内NASの検索が始まります。
正しく検索で認識されれば画像のようにNASの情報が表示されIPアドレスの確認ができます。
IPアドレスもしくはサーバー名を入力し完了を押すと画面が切り替わり「ネットワーク資格情報の入力」が表示されるのでDSMユーザーアカウント(DSMで設定したユーザー名)とそのパスワードを入力してOKをクリックします。
設定完了後、エクスプローラーのPCをクリックするとネットワークの場所にNASが表示されるようになります。
ここまでくればドラッグ&ドロップで簡単にファイル操作が行えるようになります。
※ここの設定がすごく難関な部分でガイドブックとにらめっこしながら設定していました。そのため設定方法にうろ覚えな部分がありますのでご了承ください。
パッケージセンター
スマートフォンのアプリのようにNASでもパッケージセンターからアプリをインストールすることで利便性を上げることが出来ます。
▼DSM画面のパッケージセンターをクリックします。
左タブの「すべてのパッケージ」から必要なパッケージをインストールすることで使用できます。
インストール完了後、DSM画面一番左上マークからメインメニューを表示するとパッケージが追加されていることが確認できます。
NASの操作に慣れてきたらパッケージセンターから用途にあったものを探し利用してみましょう。
以上がNASの設定になります、
設定項目が多くアカウントを複数作ったりと少し作業が多いですがガイドブックとこの記事を参考にチャレンジしてみてください。
2年ほど使用した感想
外付けHDDからNASに切り替えて2年ほどが経ちましたがとても満足しています。
外付けHDDとストレージという面では同じですがネット経由で一端末から複数端末接続可能になりいつでもどこでもアクセスできるのは本当に便利です。
PCでの管理はもちろん、外出先でブログの下書きなどをしてるときにスマホから少し写真を確認したい時に簡単に自宅のNASにアクセスできます。
また、外付けHDDの時にはなかったRAID構成にも初めて触れることができ今までより安全にデータを保存できています。
耐久性も高く本体およびHDDに異常はなく現在も稼働しています。
NAS本体にPCのようにCPUやメモリーが搭載されているのでPCのスペックに影響されないのも良いところです。
さらに、以前紹介したAPCのUPSとも連携させることで停電時にUPSから電力を供給し自動的にシステムをシャットダウンすることも可能です。
APC UPS BR550S レビュー記事はこちら↓
気になった点は、HDDの駆動音です。
昨今のPCではm.2SSDやSSDが主流のためHDD特有の駆動音はどうしても気になってしまいます。
アクセス時はかなり大きな音で「ガガガガッ、ゴゴゴゴッ」などと音がするので夜間はPCでの作業は控えるようにしてます。
もう一つは、直接PCとデータのやりとりが出来ないことです。
NASはLAN経由でPCや他デバイスとデータのやり取りを行うのでUSB接続は出来ないようになっています。
USBポートは背面にありますが、外部ストレージ(外付けHDDやSSDなど)やUPSとの接続に使用できるだけでデータ通信用には使えません。
利用するにはネット回線が必須となってきますので環境によっては外付けHDDのほうがいいかもしれないです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
初のNAS導入で設定に少し手こずりましたが、使用できるようになってからは外付けHDDよりも使いやすく様々なデバイスからネットワークを通じてアクセスできるのでとても重宝しています。
初期費用は外付けHDDよりもかかってしまいますがネットワーク関連の知識も得られるので難しいことに挑戦してみたい方にはおすすめの機器です!
以上、買い物男子のだいすけでした~。